EndlessSeventeen


05 ずっと、待ってる(リドル視点)

君は、いい子にしてればまた会えるよと言った。僕はいい子にして待ってるって言った。
本当に、いい子にしてればにあえるのかな。


日記に毎日への手紙を書くんだ。今日あったできごと、明日したいこと、君に会えたらやりたいこと。この日記は僕と君の約束。

が帰って来たらいろんな世界のお話を聞かせてと約束した。も、自分の居ない間の僕のことを教えてねと笑った。だから僕は帰って来た君のベッドの傍で読んで聞かせられるようにしたためた。
を変わらず愛してること、いつだってのことを考えてること、僕がいかにいい子で君を待っているか。それを聞いて、はきっと僕を大好きになるんだ。












今日もいつも通り授業だったよ。スラグホーン先生に当てられて答えたら大変褒められた。でもあの人は僕を持ち上げるのが大好きだからね。当然のことだ。僕は先生に褒められるより、に褒められたいな。
君は魔法が使えないから、僕が物を浮かせるだけで、すごいと喜ぶでしょう。僕はその時の君の顔が大好きだ。
愛してるよ。早く帰って来て、






今日はクィディッチの大会があったよ。スリザリン対グリフィンドールで、僕らの寮は残念ながら負けてしまった。僕はグリフィンドールに対抗意識なんて無いし、クィディッチの試合にはさほど興味がないのだけど、寮生たちのほとんどは落ち込んでいた。次回に期待って感じかな。クィディッチには興味が無いけど、箒は好きだよ。一度一緒に乗ったことがあったよね。ぎゅっと僕に掴まって落ちないように必死だったが凄く可愛いと思った。僕が落とすわけないのにね。
、愛してるよ。会いたい。






六年生になったよ。監督生ってのに任命されちゃったんだ。面倒だなと思うけど僕がいい子にしている証だよ。早く君にこのバッチを見せたい。愛してる。






テストで二問間違えてしまった。でも首席には変わりないよ。いい子でしょう?もっと勉強して、がずっと此処に居られるすべを見つけたいな。会いたい。。愛してる。






僕は今日で君と同じ年になったよ。どんどん君に近づいて行ってるのかな。でも君は姿形が見えなくて、声も聞こえなくて、正直生きているかも分からない。距離を感じないくらいに遠くに居るんだ。
十七歳の君と同い年になったけど、君はずっと十七歳だったからあの頃の君に僕はまだ近づけていないのかな。
次に会った時は、もっともっと離れた歳なんだろうね。それでも僕はの傍に居たいんだ。愛してるから。






僕はとうとう最上級生になったよ。ホグワーツは相変わらず平和だよ。魔法界もね。まあ、相変わらず暴走した箒に教われて頭にたんこぶを作った生徒がいたり、スカートをめくりたいがためにマグルの前で風を起こす魔法を使って捕まった人がいたりしてるけどね。これも平和な証かな。、僕は多分もう君より背が高いんだろうな。今までは抱きついてもおさえてくれていたけど、次に会ったときに押し倒してしまったらごめんね。でもそれは覚悟しておいてほしい。だってこんなに待ってるんだもの。愛してます。いつまでも。






、僕はホグワーツをそろそろ卒業してしまうよ。早く帰って来て。僕が何処に居たら君は分かる?僕にはを見つけられないから、できればが見つけてほしい。が分かるところって言ったら、孤児院かホグワーツだけでしょう?でも僕は孤児院に戻る気はさらさらないんだ。なんとかホグワーツに残れるように頑張ってみるよ。愛してるの為に。






聞いて、、僕ホグワーツの先生になることになった。闇の魔術に対する防衛術の先生だよ。丁度欠員が出てしまったんだ。ダンブルドア先生が背中を押してくれた。ダンブルドア先生も最初のうちは僕が何か企んでるんじゃないかって思っていたみたいだけど、最近はようやく信用されてきたようだよ。それでね、学校を卒業したら名前も変えるんだ。
勿論君が付けてくれた名前だよ。先生って呼ばれているからホグワーツに戻って来た時は生徒にそう尋ねて。
これでようやくあの名前から解放されるんだ。僕はもうトムじゃなくなる。っていう新しい人に生まれ変わるんだ。、名前をくれてありがとう。愛してる。






教師になって暫くが経つけど、結構大変だね。マクゴナガル女史も教師になったけど忙しそうだよ。彼女のこと覚えてる?別にの記憶には僕が居れば十分なんだけどさ。
僕はもう二十四歳になる。どんどん歳が離れてくね。きっと君の方がまだ年上だろうけど、見た目はきっと大人と子供くらいに見えるんじゃないかな。十七歳の生徒に比べるともうずいぶん自分の手足が骨張って声が低くなったと思うから。気持ちが変わらない自信はあるけれど、君の傍にふさわしい人間でありたいのに。どんどん老いて行くのが怖いよ。早く会いに来て。こんなに愛してるんだから。






僕は魔法を開発したよ。君に会いたいから。
本当は君を呼ぶ魔法や、君に会いに行く術を開発したかったけど、それは無理だった。ならばせめて、君をずっと待っていられるように。
僕は眠りにつくことにしたんだ。でもそれは身体だけ。心も魂もずっと目を開けて君を待ってるよ。
詳しい方法は書き写せないんだけど、とにかく身体だけ眠らせておくんだ。授業は勿論やるし、死んだ訳ではない。自分の意志で起きようと思えば起きられるからが帰って来たときに起こすね。そしたらたくさん抱きしめてその温かさを僕にわけてください。
愛してる。お休み、。待ってるよ。

2013-07-04

残された人5題/メシア