Sakura-zensen


春の約束


祖母に長い髪をひっぱられて、それから振り回されたことによって、小さな体はいともたやすく倒れ込み、ごちんっと床にぶつかった。
衝撃によって声を上げることもできなかった。
生理的に出た涙によって滲む視界の中でも、祖母の憎々しげな顔はわかった。
怒りや憎悪による震えた声とか、今しがたされたこととか、そういうのもあってのことだ。

「この、───っ!」
ひどい暴言を吐かれた。


「、くん……礼くん?」
「───あ、……ゆう、た?」
「どうしたの、ぼーっとしちゃってさ」
追い出されたのだか、逃げてきたのだか忘れたけど、とにかく俺は家の外に出ていつも遊ぶ友達と合流していた。
あまりにぼけっとしてたもんだから、ゆさゆさ肩をゆすぶられて、ぶつけた頭が痛んだ。
んぎゅっと目をつむって、こめかみを掌で触れば案の定たんこぶができている。
憂太はそれを見て、どうかした、と顔を覗き込んできた。
「ああ、いや、今日頭ぶつけてさ。たんこぶなってる」
「ええ、うそ!?ごめん!」
「憂太があやまることないよ、平気」
俺がにかっと笑うと、憂太は素直な奴なので、そっかと笑った。
「───あ、今日憂太誕生日だったよね、ごめん、まだ何も用意してなかった」
祖母は俺に必要最低限のことしかしてくれない。おこづかいというものもないんで、こっそり家の中から持っていける物があるかなと物色していたのだが、特にいいものも見つけられずに家を出てきてしまった。
というか、その物色のせいであらぬ嫌疑をかけられたと言っても過言ではない。
いや、あらぬ嫌疑ではないか、家のものを持ち出そうとしたのだし……でもほら、10かそこらの子供が友達にあげるものなんて、目くじら立てないでほしいよな。
「え~!楽しみにしてたのに!」
憂太がちょっと拗ねているので、俺は笑いつつも誠心誠意謝った。
「ごめんごめん!その代わり、今日はなんでも言うこときく!」
「ほんと!?なんでも!?」
今日は一日従者ごっこだなと考えながらも、そう深くは考えてなかった。
憂太だって嬉しそうにして「明日も、あさっても、一緒に遊ぼ!」と無邪気な提案をしてきた。
「今日叶えられることを言えよ~ずるいぞ」
「え~でも、思いつかないよ」
う~ん、と考え込む様子の憂太に、俺はとうとう笑って許した。
「じゃあ、憂太とは明日もあさっても一緒に遊ぶ!約束な」
「それってずっと、ずーっと、一緒ってことだよね?」
「うん、ずっと」

子供同士の無邪気な約束が、俺たちの間では宝物になった。

春野礼のこれまでの人生は、なかなかに波乱万丈であった。
5歳の時、母親が原因不明で急死した。この人は俺の髪を伸ばし、着飾るのが好きだったなという記憶がある。
それから6歳の時、もうすぐ小学校に入学するという時に父に連れられて登山に行った際に父が失踪。俺は登山から一週間後、山頂付近の山小屋で発見された。1週間何をしてたのかもわからない。
───父は母が好きだったし、俺のことも好きだったと思う。
だから母が大事にしていた俺の髪をよく梳いてくれた。
彼らがなぜ命を落としたり消息不明になったのかは、俺の記憶からではわからない。ただ、『不可解』という印象だけはある。
引き取ってくれた父方の祖母も、同じ印象を抱き、俺が両親を殺したのだという妄執にとらわれていた。

俺が俺であることを思い出した時、修復するよりは距離をとる方が大事だと思ってそうした。
なるべく外に出て、学校にいて、問題を起こさなければいいと。
幸い祖母以外の人間は大人も子供も俺を普通に可愛がってくれた。
だが祖母は俺が人と仲良くしているところを見ると、また人を誑し込んで殺すのだろうと言う。その一端がこの長い髪であると。
今までも十分ひどい言いがかりだったが、この時の祖母はありえないくらい正気をうしなっていた。手にしていた鋏だって、髪を切るどころか、俺の顔を切りつけそうな勢いだ。
背後に化け物の姿すら見えてきそうで、家から飛び出した。

外に出てしまえば強く俺に言えないし、走るのだって遅いから逃げられる。
でもあの迫力が、ずっと俺の背後から髪の毛を絡み取ろうとするようで怖くて、俺は走る足を止められなかった。
「あれ、礼くん!もうランドセル置いてきたの?」
「……憂太」
街中で走っていた俺はまだランドセルを背負ってる憂太に遭遇して思わず足をとめた。
荷物おいたらまた公園で待ち合わせして遊ぼう、と約束してたのだ。
「相変わらず足速いねえ、あ、僕んち一緒に行こうよ!」
にこにこ笑う憂太に安堵した。
───のも、束の間。粟立つような殺気を感じた。
横断歩道を渡りながら反射的に見た方向にはトラックがいて、あっという間に目前まで来ていた。
視界が揺れると、憂太が道路を渡りきって歩道にいて、振り向いたのが見えた。

血だまりに、自分の長い髪が揺蕩う。

死に瀕して、自分の感覚が恐ろしく研ぎ澄まされていることを理解した。
けれどそれは痛覚とか周囲の音とかではなく、もっともっと、深いところ。
俺の身体を這うのは、祖母からの恨み、人からの好意、妬み、恐れ、憂太から向けられた───。
こんな時でも、憂太は俺との約束を覚えてくれているんだ。
いかないで、そばにいて、と。
だからいっとう心地よい、そのおもいを掴んだ。

『憂太、明日もあさっても、一緒に遊ぼう』




11歳で事故に遭ってから早6年、俺は今も憂太の背後霊をしている。
夢枕には立てないが、頑張ればなんと、手が出せるんです。
そういうわけで、無邪気さが年々失われてゆき、いじめられっ子系に成長してしまった憂太くんのモンスターフレンドというわけだ。
ところがこの度うっかり力を出しすぎて、クラスメイトをぶちのめしてしまった……。教室が半壊です……。
普段なら俺も上手に力を使って、憂太の身体を動かして反撃していた。男ならてめえの拳で戦わなければならないからな。
なので中学では一見すると気弱ヘタレ男だが手が出る「憂太さん」として有名だった。でも高校生になったらまたイチから関係を作り直しで、つまりこれから周囲を伸していくはずだったのだ。
入学後はちょっと小競り合いというか、どつかれることがあったので、どうしてくれようかと思ってたところ停学あけたバカ不良がハアハア言いながら殴りかかってきた。そして憂太の怯えも高まり、つられて俺のパワーも強めに出力されてしまったのだ……。

吹っ飛んだ不良くんが頭を切って血を流したことにより、憂太は「憂太さん」どころじゃなく被告人憂太になってしまった……。いや警察にはつかまってないけど……呪術なんとか?て所がきた。
明らかに警察よりヤバそうな団体に連れられ、憂太はある部屋に入る。
そこには俺が入っていけないというか、強制的に眠らされるというか、何が話されていたのかはわからない。
でも出てきたら憂太は何やら、背の高い一人の男付き添いの元、転校生になりました。どういうこと……?
状況的に呪術高等専門学校という機関に入り、おべんきょすることになったもよう。

転校初日、問題起こしてしまった学校とは変わってまたやり直せるなら良かったなーと、呑気におんぶ状態で教室に入っていく。
したら、生徒は3人……ん?2人?しかいないし、なんかパンダがいるぞ。
彼らは憂太と、なにやら俺のことを信じられないものを見る目で見てた。

教壇に立ち、憂太が挨拶した瞬間にもう武器を取り出し、構えをする生徒達。
女の子が一人長物を使って黒板に刃を刺す。
「これ、なんかの試験?」
硬直して怯えた憂太が横目で刃物を見た。
おまけに「お前呪われてるぞ」と言われて目を白黒させる。
え、憂太が呪われてるの?俺が憑いていながら?それはいけないな。

───日本国内での怪死者・行方不明者は年平均一万人を超えるらしい。
そのほとんどが、人の肉体から抜け出した負の感情"呪い"の被害だという。その中には呪詛師による悪意をもった事案もあるらしいけど。
その呪いに対抗できるのは、同じく呪いである。その呪いを学び、祓うことに利用するというのが呪術師と呼ばれ───憂太が目指すものだった。
憂太に付き添っていた先生───五条先生が言うにはそういうことらしい。

何の説明も受けてなかった憂太がか細い声で「事前に言ってよ!」と言うとクラスメイトもドン引きし、五条先生は悪びれない謝罪をした。
ところで、憂太を呪ってるやつはナニモノなの?かかってこい!の気持ちで黒板に刺された武器を、憂太の手を使ってとる。
「あ、っだめだよ、礼くん!」
憂太は一応俺が身体を使うことがわかっているので時々止めに来るが、だいたいあんまりいうことは聞いてない。だって憂太全然反撃しないんだもん。この世は食うか食われるかだゾ。
すんっと教壇に武器を突き刺すと、ぱっかーんとそれが割れて、周囲に吹き飛んだ。ちゃんと割り方も気を付けたので怪我はさせてないだろう。

「───てな感じで、彼のことがだーい好きな礼くんに呪われてる、乙骨憂太くんでーす!みんなよろしくー!」
へ……?
「憂太に攻撃すると礼くんの呪いが攻撃したりしなかったり」
俺……?
みんな気を付けてねー!と軽い感じで説明する五条先生の言葉に俺は茫然とする。クラスメイトの紹介も手短に済ませられたし、学校に入る経緯を説明されてなかった憂太と同じくらい俺もそれ早く言ってよという気持ちでいっぱいです。
……俺が憂太のこと呪ってるの……?


落ち込んだままの俺は憂太とクラスメイト達の様子を静かに眺めた。
前の普通の学校よりは全然さっぱりしてて過ごしやすそうだし、憂太のことを理不尽にいたぶるやつはいないだろう。
女の子に、いじめられっ子みたいな顔しやがって私でもいじめると言われてたのも、これはちょっと言い返せないというかなんというか。
憂太はもっと堂々として、元気に普通にしてればいいのにと、俺も思う。
まあ、確かに俺がやたらと守ってしまって、挙句孤立させてしまったところもあるんだと思う……ああ、だから俺は呪いなのか……。
ぐしぐしと出てない涙を拭って午後からの呪術実習についてった。

やってきたのは小学校。何の変哲もなく見えるが、児童が2名失踪しているらしい。
思い入れのある場所というのは、呪いが吹き溜まるようで、自然発生した呪いによるものだろうとのことだ。
今回の実習は簡単に言うと呪いを祓い、子供を救出、亡くなってたら回収だ。
憂太はまだろくに戦い方も知らないのに、いきなり先生に放り出されて平気だろうか。
ペアの女の子、禪院さんがいるとはいえ、同じく1年生だし。
かっこいい呪文で『帳』という結界を張った、唯一頼りになりそうな先生は外に行ってしまうし……俺は先行き不安だ。

校舎の外に出てきた呪霊は弱くて禪院さんが一振りで祓ってしまえたけど、校内はなんだか静かだった。物陰に隠れて虫みたいに弱そうなのがいるけど。
憂太と禪院さんは何やら交流を深めてお前何級?とかいう英検の話をしているみたいだが、いよいよ大きな気配を感じ取る。
「憂太、いるよ」
もー実習中でしょうが、と憂太に耳打ちをすると、憂太もはっとした。
「───!禪院さん、……後ろっ!」
どデカい呪霊が校舎を破壊した。禪院さんと憂太は吹っ飛ばされ、当然落下していく。
着地時に攻撃をと考えていた俺だが、ぐぱあっと開けられた呪霊の口の中に落下地点が定まってしまい憂太の保護に努める。
とはいえこれまで宙に放り出されたことのない憂太は目を回し、衝撃によってわずかに気をやってしまった。
呪霊の内臓というか、肉壁に囲まれたところにいると、一緒に呑み込まれた禪院さんががなり立てる。どうやら彼女は武器を落としてしまったようだし、足に傷を負っていた。
「そうだテメエ呪いに守られてんじゃねーのかよ!」
礼くんがいつ出てくるか僕もよくわからないんだ!それよりどうするの!?」
胃酸とかそういう毒で身体融ける感じじゃなかったので、これからどうすんだろーと静観していた俺は憂太と同じく禪院さんの考えを聞くが、彼女にこれと言って策はないようだった。
時間がきて帳が上がるのを待つしかないのだと。それはとても、なんというか、情けないことだな……禪院さんも悪態をついてる。
でも憂太は初心者だし、こんなものでは……?と思っていた俺をよそに、同じく腹の中にいた行方不明だった子供2名が彼らに助けを求める。
禪院さん曰く子供は呪いにあてられており、2人ともいつ死んでもおかしくない。
そして彼女自身も負傷した足に呪いがかかっている。つまり帳が上がるのを悠長に待ってられないってことだ。

子供に助けを乞われ、禪院さんに何をしに来たと問われ、憂太の感情が湧き立つ。

「生きてていいって自信が欲しいんだ」

傷つけたくないし、消えたいけど、1人はさみしい……という憂太の思いを、俺はこれまで考えたことがなかった。
憂太を守ることしか考えてなくて、ずっと一緒にいてやらなきゃって。
上手くやってるつもりでいて、実は憂太をこんな風にしてたのは俺だったのか。
「じゃあ、祓え───呪いを祓って祓って祓いまくれ!!」
禪院さんの言葉に憂太は目を見開く。
同時に俺の、ないけど心臓みたいなのがドクンと脈打つ。
「自信も他人もそのあとからついてくんだよ!ここは、そういう場所だ!!」
言った後倒れた禪院さんを茫然とみて、憂太は首に下げたペンダントを握った。
そこには『俺』がいるんだよね。
礼くん」
「───なぁに?」
はじめて、ちゃんと呼んでくれたね。
憂太のおもいがひしひしと感じられて、とてもあったかい気持ちになった。


今まで憂太の身体を使うことが多かった俺だが、今回は相手が呪霊だし、なるべく憂太のせいにならないように俺自身が暴れることにした。
それに、今は憂太が直接ねがってくれたから力が漲る。

今の俺は人間の肉体とは違うので、なんというか振れ幅がでかい。
パンチで呪霊の腹を破ったので、憂太達にはその隙に学校から出てもらおう。
正直ここにいる呪霊は全然強くなくて、ただデカいだけって感じなので俺がひたすらえいっえいっってやってればいつしか消えた。祓えたのかな?
これで失われし信用を取り戻していかなければ……と一息ついてると、俺に向けられる視線がある。
目隠しが印象的な五条先生だ。一度、憂太を通して目を向けられたことがあったけど、その時は憂太以外に見られるのに慣れてなくてすぐ引っ込んでしまったので、まともに目があったのは初めてかもしれない。
なんか改めて見られると恥ずかしいな、今さっきまで暴れてたしな。
ニ、ニチャ……と笑っておくことにする。



子供2人と禪院さんを背負った憂太が漢を見せたおかげで、皆迅速に病院に運ばれ治療を受けた。
俺はちょっとやりすぎた感もぬぐえないので怒られたらやだな、と憂太の内側に引っ込んでおく。
病院の廊下のソファで座る憂太と、隣に立つ五条先生は、特に俺を叱るつもりはないようでほっとした。
「……初めて、自分から礼くんを呼びました」
「そっか、一歩前進だね」
「少し、思い出したんです」
憂太はペンダントを一度触ってから、手を下ろし、初めて出会ったのは病院だったとこぼす。
憂太は肺炎で、俺は山で発見されたから検査のため入院していて、初めは俺を女の子だと思っていたと。長い髪の毛は両親が愛でていたもので、男だと話すと憂太はそれでも髪の毛が綺麗だねと褒めてくれた。
俺はそれがとてもうれしかった。
礼くんとはそれから小学校が一緒になって、仲良くなりました。毎日一緒に遊んでた」
五条先生は小さく頷き続きを促す。
「僕はそんな毎日が楽しくて、ずっと一緒にいようって約束しました。礼くんはそれに今も応えてくれてるのかもしれません」
「青春だね───だが憂太。それは永遠ではない」
だから尊いんだよ、と五条先生は柔らかい声で付け足した。
憂太はしばらく黙って、それからぎゅっと拳を握った。
「僕は呪術高専で、礼くんの呪いを解きます」
そうだね、俺も頑張るよ。
憂太のその拳を包んで、同意した。


初めての実習後すぐ、五条先生は武器がしまわれた倉庫に憂太と俺を連れて行った。
「春野礼ほどの大きな呪いを祓うのはほぼ不可能、だが解くとなれば話は別だ」
俺そんな言われるほど大きな呪いだったのか……。ちょっぴりショックだ。
「何千何万もの呪力の結び目を読み、一つずつほどいていく。呪われている君本人にしかできないやり方だ」
憂太はちらりと俺を見てから、具体的にはどうすればと先生に聞く。
すると渡されたのは一本の刀だ。
「呪いは物に憑いてる時が一番安定するからね。まあ、礼は憂太に憑くこともできるみたいだが、それじゃあいつまでたっても埒が明かない」
え、そうなん……。
礼が顕現したとき、君はそのペンダントを媒介にして繋がったんだ。パイプはできてる」
俺の呪いを憂太がうまく刀に込めて使うことで、力を支配する訓練をするらしい。
言いたいことはよくわかる。憂太の肉体を使って戦うのでは憂太の身体が持たないし、離別ができないってことだろう。
というわけで、試しに、刀は鞘に入れたままだが五条先生と打ち合ってみることになった。しかし立ちあってすぐに「憂太!礼に任せすぎ!」と怒られた。
びゃ、とびっくりした俺と憂太はうっかりそれで刀を握る手を緩めた。
「う、……!」
すかさず手に衝撃をあたえられ、とうとう刀を取り落とす。
「いいかい、呪力を込めるのは刀にだけ。身体ごと礼に刀を振ってもらうんじゃないの」
「あ、あれ?僕また礼くんに振ってもらってた……?」
「初心者の憂太がそんな立ち回れるはずないでしょ」
「うぅ……確かに……」
再び憂太は傷ついた声を出す。
「今までだって礼の力だろ?聞いたよ~君、中学では舎弟までいたそうじゃないか」
「あ、あれは礼くんが喧嘩に強いからで……」
「そう、礼の身のこなしだ」
「……はい」
どこから湧いて出た武力かと問われると困るが、実際俺は今呪いになってるので、なんというかすべて不問みたいなとこあるよね。
「だから、礼の力をうまく武器に纏わせて、自分の身体で動かす。そうすればいずれその力は手中に収められ───後は晴れて自由の身さ。君も、彼もね」
自由の身、と心の中でつぶやいた。 先生は俺たちの様子もなんのその、言葉を続ける。
「と、同時に、自分で刃物の扱いも覚えなきゃだし、礼がいなければ貧弱なんだからまずは徹底的にシゴきます」
体力はあるみたいだね、礼に動かされてたおかげかな?と五条先生は楽しそうに笑っていた。
俺が憂太に与えられたのは何となく体が覚えている正しい力の使い方や反射的な動きとか、ちょっとだけついた体力だったんだね……。

3か月もすると、憂太は竹刀で真希さんと元気にやりあうようになっていた。
といっても、1本もとれたことはないようだけど。
真希さんは長い棒を使う戦いが多く、武器の扱いも身体の使い方もうまい。
憂太の振った竹刀を飛ぶことで避けた真希さんは、体勢を崩した好機とみて着地を狙った憂太をしなやかに避けて足技で絡めとり、引き倒しておでこを突っついた。わあ、すごーい。
「最後のいりました?」
「甘えんな、常に実践のつもりでやれ、罰があるのとないのとじゃ成長の速度がダンチ───」
「え、礼く……!?」
真希さんが得意げに背を向けたので、俺はうずうずして、憂太の身体で彼女を引っ張って地面に寝かせて押さえた。
いたずら成功の気持ちだったんだが、もしかして、俺はやってしまった……?
憂太は顔面にビンタされてぶっ飛んだ。ごめん憂太。
礼に身体を動かさせるなって言ってんだろ!」
「ご、ごめんなさい!」
「ッアー!クソ!今のは隙だらけだった情けねえ!!もっかい礼だせゴラァ!!!」
「え、今出すなって……!」
ごめん憂太。もっかい心の中で謝って、憂太から離れた。
「ふたりともがんばれ~」
もう手は出さないのでどうぞ、続けて。
完全に姿を現すと圧が凄いらしいので、俺はちびっと小さくなり半分くらいの力だけ外に出て、横で見学中のパンダくんと狗巻くんといつの間にか来ていた五条先生の方へ行く。
続きの訓練に戻った憂太と真希さんを3人の足元で眺めた。
礼はあんまり過呪怨霊らしくねえな」
「しゃけ」
パンダくんの言ってることはよくわからないが、狗巻くんの言葉はもっとわからん。
「まあ、確かに。普通は被呪者に対して猛烈に執着してて、その周囲に害を与えまくるものだからね」
きょとーんとしていた俺に、五条先生が通常の過呪怨霊のスタンスを教えてくれた。
まあ、それが呪いってもんだよね……と俺も思う。
「憂太が楽しそうだからいいの」
それに尽きるので、憂太と真希さんのやり取りをにまにまと見守る。パンダくんと狗巻くんはそっかーという感じ、五条先生はじいっとこっちを見てくる視線を感じたので、どうしたらいいのだろと思って、またニチャ……と笑っておくことにする。
「憂太、性格も前向きになったよねえ」
「かなり動けるようになったしな」
「すじこ」
「確かに真希も楽しそうだ。今まで武具同士の立ち合いってあんまりなかっ……」
何がどうしてその『確かに』になったのかわからないけども、パンダくんは天啓を得たように固まり、憂太を呼び寄せあろうことか、好みの胸の大きさを尋ねた。
これも青春……と眺めているとパンダくんと真希さんは乱闘から訓練にシフトチェンジして、狗巻くんはご指名による呪い祓いが入り、憂太は付き添いというか見学でついてくことになった。
当然俺もついていくわけだが、俺が出たら憂太と五条先生の首が飛ぶかもーと軽率にプレッシャーを与えられたので俺と憂太はビビりながら車に乗った。

現場の商店街は現在すべて閉店しており、ここらを解体したのち大型ショッピングモールを誘致する計画があるようだけど、視察中に低級の呪いの群れが確認されたのらしい。
補助監督の伊地知さんが事前にそう説明し、帳を下ろしてくれた。ついでにドライバーも兼ねているので彼は外で俺たちを待つのだろう。

狗巻くんは呪言を使う術師だそうで、大まかにいうと言葉に呪力が宿る。一般人的知識でもまあ言霊的なのを使うんだなとわかるが、どういったメカニズムと威力なのかはいまいちわかっていない。
喉薬を手に中に入ると早速、レベルの低い呪いがうようよと泳いでいた。
真希さんも『弱い奴ほどよく群れる』というかっけえ名言を残していたけど、まったくその通りで、小魚の群れがびちびちと大量に表れた。なるほど、これが雑魚というやつだな。
これは憂太にはちょっと向かないタイプだなと思う。武器で攻撃をしても数が多いので体力が消耗するし隙もできる。広域に呪力を放出する練習もしといたほうがいいかもな。ビームとか爆発とか……と思ってたら、狗巻くんが「爆ぜろ」の一言で呪霊を一掃してしまった。
俺は憂太の後ろでぴちぴちと拍手をした。

さて帰ろう、さあ帰ろうというところで、帳が上がらないことに気が付いた。
たいていの帳は呪霊が祓えたり時間が来れば解除されるらしいんだけどなぜだろうと疑問に思っていれば、新たな呪霊が背後に降り立った。さっきの雑魚と比べると強く、憂太達はなんとか攻撃をかわして物陰に隠れた。
しかし帳が上がらないのでは逃げられないし、この呪霊を野放しにもできない。
狗巻くんは最初の攻撃から憂太を守るのに指を負傷したが、階級が上であることや、純粋に憂太を慮って1人で戦おうとした。
憂太はそれを見て、ぐっとこらえてから勇気を出して2人で頑張ろうと言った。
やっちゃえ、憂太。

刀に呪力を込めて、足を絶えず動かし、目を凝らし、呪霊の隙を探す。
攻撃するも、呪霊は固くて刃が通らない。憂太もまだまだ、力の扱いがなってないからだ。
戻ったら要訓練である。
とはいえここで諦めるわけにも行かず、先程逃げるときに落っことした喉薬を拾って、物陰にいた仲間の狗巻くんに投げ渡す。彼もなかなか良い動きをするので安心していいだろう。

期待通り、渾身の呪言で呪霊を潰し、憂太を心配して駆け寄ってくる。
憂太の頭がちょっと切れて血が出てるけど、男の子なのでこのくらい大丈夫だ。
2人はにっこり笑いあってハイタッチした。
───あれ、なんかいる。
商店街の上の方、アーケードのところを見ると柱の上に人影がある。呪霊もつれて、こちらを見ていた。
あちらも俺の視線に気づいてにんまりと笑ったけど、笑い返す気にはならなかった。
明らかに、帳が上がらなかったり予定外の呪霊が出現したのは奴の仕業だと思う。

狗巻くんと憂太は五条先生にも異常を報告し、伊地知さんも調べにあたってくれるそう。
俺が、誰か人間が見てたという報告すると、おそらくそれは呪詛師だろうと言われた。
それがどんな奴で、どんな目的かまではわからないけど、おいおい調べてわかるだろう。
今俺たちに出来ることも無さそうだし、とりあえず憂太は体術向上と、呪力の操作を練習あるのみだ。

俺が呪力というか気の使い方を教えてみたり身体動かせってせっついたり、そうして叩き上げた憂太は心身ともに成長していき、上級生と一緒に向かった京都の呪術高専での交流会では見事圧勝した。
敷地内だったので、ある程度ぶっ放して良いと五条先生が言ってたので俺も暴れちゃった。
後日怒られたよ、五条先生がな。

東京に帰ってきてまたいつも通りの朝。早朝にトレーニングをしているので憂太を起こす。
「ゆうたおきて」
「ん……おはよう、礼くん」
むにむにと顔を動かす憂太は、人並みに朝が苦手だ。眠そうだしいつも目の下にクマがあってとれないので、どうしたら安眠できるかと考える。
やっぱし、俺が憑いてるせいだろか。自分で言ってて傷つきました。
今までは眠そうだったら俺が勝手に身体を動かして顔を洗わせて、なんだったらランニングまでやってたけど、最近ではもう身体を勝手に動かすことはなくなった。そうしなくても憂太は自分で動くと分かっているし、俺にも人の身体を勝手に使うという概念が徐々になくなってきたからだろう。
それに今までは憂太の感情の高ぶりが俺にダイレクトに伝わってきて、その反動もあって俺が力を出すこともあったのが、憂太が成長して呪力コントロールがうまくなったおかげで取り乱すこともなくなった。
こうして、互いに互いを意識して使うことによって、ほんの少し俺たちの絡みついていた部分がほどけたのがわかる。
でもあの約束はまだ大切で、解きたいとは思えなかった。
いつかすべて手放す時がくるだろうか。そうでなければならないと分かっていても、憂太と友達でいたいな。


ある日の夕方、憂太が「何か嫌な感じがする」とこぼした。真希さんもパンダくんも狗巻くんも、気のせいだなと片づけた。何しろ憂太は呪力感知がザルで有名。それは俺が横にいるからだとも言われてる。
「ううん、なんかいるよ」
本当に俺の所為なのかどうかはわからないけど、俺が憂太の代わりに呪力感知できるからいいもん、教えてやるもん。
「珍しいな」
「憂太の勘が当たった」
憂太は違和感を訴えたわりに、本当に勘で言ったらしく頭にハテナを浮かべた。
間もなく、翼の羽ばたく音がし、大きな呪霊が降り立った。
ペリカン……?とともに着地したのは、いつぞや見た男で、自分の名前を夏油傑と言った。
鳥の口の中からわらわら出てきた人をよそに、憂太の手をにぎにぎするので、警戒しつつも様子を見る。
非術師のない世界をつくろう、とヤバイこと言ってる明らかに呪詛師だが、そういう危ない思想よりも憂太の琴線に触れたのは真希さんのことを『おちこぼれ』と称し、『猿』と呼んだからだ。

呪詛師・夏油傑は集まってきた呪術師から大顰蹙を買うも、クリスマスイブに渋谷と京都に呪霊を放つという犯行声明を残し、原宿の竹下通りでクレープ食べに行った。生活感みせるな。

そして当日、1年生の憂太と真希さんは実戦経験が少ないのと階級が低いから学校で待機、狗巻君は2級なので新宿に応援、パンダくんは学長のお気に入りらしくおそらく新宿、上級生はもともと京都の方へ遠征に行っていたそうなのでそちらで応援へ行った。

真希さんと憂太が別れた後、高専内に帳が下りた。
憂太と窓から外が暗くなっていくのを見て、久々にぞっとする。
「憂太、あいつがきてる」
「え……?」
夏油だと教えればどうしよう、と憂太はたたらを踏む。
戦力がほぼ新宿と京都に分散された今、通常の呪詛師や呪霊を追っ払うくらいはもちろん警備が整っているだろうが、夏油という特級を冠する男が来たとなると、心もとない。
五条先生から彼の術式や強さを聞いているし、そんじょそこらの術師じゃ適わないとも聞いている。
「あの人、どうして高専に来たんだろう……」
「狙いは憂太か俺かな?」
俺のおおよその心当たりに、憂太は立ち止まる。
実感の伴わない、僕たちがという鸚鵡返し。
ズン、と地面が沈むくらいの衝撃があり、憂太の意識が逸れる。
「と、とにかく真希さんを……あれ?むこう誰かが戦ってる!?」
「応戦してるのかな。真希さんかも」
「───!」
憂太は寮に向かっていたが、すぐに違う方向の建物へ駆け上がった。
真希さんなら侵入者に対して向かっていくだろうし、他の誰でも夏油に相対して無事でいられるかはわからない。

たどり着いた先では、狗巻くん、パンダくん、真希さんが血を流して倒れていた。
夏油が、憂太のために術師が集ったと感動に泣いている。
足が変な方に曲がり、お腹からひどく血を流している真希さんを見下ろす憂太の顔は絶望に染まった。
狗巻くんが憂太に逃げろ、と呻く声は力がない。
パンダくんは呪骸だというから体の損傷よりは核が壊れていないかが心配だが、かろうじてそこは無事だった。
怒りに震えた憂太の思いが、俺に伝染する。
してこなくたって、俺も怒るけど。
「───来い!!礼!!!」
もう、手加減なんてしない。


多くの呪霊を使役していると聞いてた通り、次々と呪霊を使って襲い掛かってきた。
とはいえ、憂太には皆を運び出して、反転術式で治療する間を与える。
それはなぜかと言うと、気を削ぐからだ。
ある程度治療をして戻ってきた俺たちに、おかえりと宣い、改めて続きをしようと合図した。
そういう態度に若干イラッとこないでもないが、憂太が俺以上にブチ切れているので余計な手出し口出しもせず、憂太に合わせて希望通りのものを作り出す。
といっても、ほぼ憂太の力だけど。
でもそれでいいんだ───憂太の思いが強ければ強いほど、俺も強くなれる。それが俺たちだってわかっている。

狗巻くんの術式を借りて真似して、真希さんから見出だした武器の使い方、パンダくんから教わったこぶしの使い方、俺が教えた力の込め方、憂太は全部使って、夏油と戦う。
俺はそれをすべて付き纏い、隙を見ては憂太の援護だ。
宗教観が違うので夏油の言いたいことはわからないが、憂太が自分の思いを強く持ち、奴を殺すと決めた。
非術師と呪術師の在り方とか、呪霊がどうだとかなんてまだわかんなくていい。
そういうのは青春した後に考えれば。
「……───憂太、下がって」
とはいえ、だ。夏油の全身全霊の攻撃を食らってしまえばどうなるかはわからない。
特級仮想怨霊と、呪霊4461体を一つにした攻撃なんて、さすがに特級と言われた俺ひとりで、守れるだろうか。でも、守らないと。
礼」
「な、に」
前に出た俺を引っ張って、憂太が抱きよせた。
さらりと髪の毛が零れ落ちて、憂太にかかる。
「いつも守ってくれてありがとう、友達になってくれてありがとう」
憂太は俺の髪の毛好きね、指に絡めてくるくるするの。
「最期にもう一度力を貸して。コイツを止めたいんだ、そのあとはもう、何もいらないから」
俺の顔を見るためか、きゅうと髪を引っ張った。
「僕の明日も明後日も、皆礼にあげる。それで、礼の痛みも苦しみも全部僕が引き受ける───だから今日は目一杯遊ぼう、礼」
髪の毛にそっと唇をあてた。
親愛のキスだ。
憂太の覚悟が、気持ちが、また俺の中にあふれる。
死ぬんだって思った時につかんだ、あの約束みたいに。

そうか、これが俺たちが繋いでいた呪いだったのか。
もう放さなければいけないんだね。



ほぼ無意識に憂太に呼応して呪力を放出すると、夏油は消し飛んでいた。いや、どうだろう、逃げたのかもしれないが。
周囲が更地になった今、また戦うってこともないはずだ。
憂太は気絶しちゃったので起きるのを待ってると、真希さんたちが意識を取り戻して憂太を囲っている。

俺に絡みついていたものが取れて、改めて自分を認識した。
憂太は驚きの表情を浮かべた後、俺を見下ろした。
「え、礼くん?」
まるで初めて俺を見たみたいな顔する。
「おめでとう、解呪達成だね」
そんな一同をよそに瓦礫の影から拍手をして出てきた男性。
誰?と俺が思っているのと皆が口に出すのは一緒で、自称グッドルッキングガイの五条悟先生だそうだ。へ~こんな顔してたんだ。
先生曰く憂太がいつぞや、俺が憂太の願いに応えててくれてる、とこぼした発言を気にして憂太の血縁を探ったらしい。そしたらなんと、大物術師の末裔だったらしく、憂太には呪術師としての才能があった。
先生は更に続ける。
礼が君に呪いをかけたんじゃない、君が礼に呪いをかけたんだ」
何てことを言うんだ、俺も今気づいたけど……と五条先生をねめつける。
さっきの憂太のお願いによって、俺にかけられた「明日も明後日も一緒に遊ぼう」というお約束は「今日遊ぼ、それでおしまい」となって解けた。おまけに俺からは別に何も求めるつもりはなくただ手を放したので、解呪が成功したというわけだ。
「……全部僕の所為じゃないか」
憂太は泣いて崩れ落ちた。
礼くんをあんな姿にして、たくさんの人を傷つけて……」
夏油のことも罪に感じているようだったので、俺はぎゅっと抱きしめた。
「憂太のせいじゃない。俺は自分の意志で憂太の手を取ったんだ」
「───、」
「憂太のそばにいるのは心地よくて、だからこの6年間楽しかったよ、ありがとう」
もういかなきゃ、と何となくわかる。
肉体がなくて、憂太との約束がない俺は、とても脆いらしい。光吸い込まれていくような感覚だ。
「ずっと友達───親友でいようね、ばいばい、元気でね」
憂太はぐじゃぐじゃの顔でうなずいた。
またねという言葉が掠めて、すうと深く眠りにつく。
光の中に入ったはずだが、目を閉じれば暗闇があって、そしてすぐに瞼を突き刺す光に気づいて目を開けた。

「……?」
「やあ、起きたね!僕が誰だかわかるかな?」
「……グッドルッキングガイ五条悟先生だあ」
大当たり~!とはしゃぐ、目隠し不審者。
初対面だったら絶対避けただろうけど、会ったことがある、夢の中で。

つまり俺は生きていたらしい。



end



ってゆー話が書きたいなという。(書いたけども)
里香ちゃんもそうだと思うんですが、多分被呪体質というか魔性っぽいとこあって、祖母やいろんなとこから呪われかけてたところを死にかけ、唯一心地よくて信頼してて、強い呪力があった憂太を掴んだっていう設定がありよりのありかなって。
里香ちゃんの父母もある意味彼女に付随する呪いや不幸に狂わされたり壊されたりしたのではないかという妄想です。

自分が生きてるとは自覚してなくて、魂が怨霊(生霊)になってしまったので身体がいつまでたっても治らないまま傷だらけで、憂太はだから『痛みも苦しみも引き受ける』と言ったんだけど本人自覚してないしそもそもそんなつもりなかったのでそれは求めませんでした。
特級過呪怨霊ではなくて特級被呪生霊だったね!
周囲が本人に死んでないと告げなかったのは、肉体が生きてないも同然でもはや呪物みたいなパウワ~を持ってたという設定があるにはある。
GLGが解呪後に治療できるか試したか、主人公のサクラちゃんパワーで治したかで復帰して、憂太と感動の再会してくれハッピーエンドゥ……。
主人公は自分に向けられた呪いを力に変える才能があるので(設定もりもり)今後憂太くんの呪力を糧にして黄金コンビになろなっていう私の幸せお友達計画があります。
だって親友だもん理論で一心同体無双して、五条先生の青春の傷跡をうずかせる裏番組もあります。
ちなみに憂太の媒介にしてたペンダントは髪の毛が入ってるか、髪の毛で作ったダイヤモンドかどっちか。特に決めてないです。
原作は愛をテーマにしてた感あったんですけどこっちは友情にしたくて名場面とかはなくなったなという後悔はあるんですが、原作は原作、これはこれで!
BLじゃないです、毎日一緒に遊ぶ友達なのでつまりブロマンスです……。

Jan.2022