Loose.


06

ミサとライトくんと局長の監禁が解かれたが、ミサは軟禁、ライトくんは竜崎さんと手錠で繋がる生活を送る事になった。
「ここまでする必要あるのか?竜崎……」
「私だってしたくてしてる訳じゃありません」
俺達は変な光景だなあと思いながら、黙ってライトくんと竜崎さんの姿を見る。
「男同士でキモイよ……竜崎さんってこっち系?大学でもライトと一緒にいたし……もう一人男の人も連れてたよね?」
「私だってしたくてしてる訳ではありません。松井さんは捜査員ですので付き添いです」
「あはは……」
ミサがあっと声をだして、俺に気づいた。
「じゃああっちのひとと繋がってればいいじゃん」
「そう言う問題ではありません。———それともライトくんは松井さんとが良かったですか」
「何言ってんの……」
「な!りゅ、りゅうざき……!」
焦った様子で言募るライトくんは意外だった。もしかして、一応俺の事意識してんの?いや、あれか、キスしたり告白した記憶が有るから照れくさいだけなのかな?本心じゃなかったとしてもそうしたってことで、なんであんなことしちゃったんだろうって。
心中お察しします〜。
「ライトはミサのライトだってば!大体24時間一緒ってミサはいつライトとデートするの?」
「デートする時は必然的に三人でとなります……」
「はあ?」
あなた変態じゃない!と驚くミサと、もううんざりしている竜崎は話をキラと第二のキラに戻す。

「この人がマネージャーなのお〜?まあこの中では一番良いけど……」
「不服そうだなあ……」
「だって、ミサの好みはライトだもん」
マネージャーって好みドストライクの男じゃなきゃいけないわけじゃないだろ……と思いつつ苦笑する。
「ミサ、あんまり我儘言うな」
「ライトがいうなら。別に好みじゃないから浮気しないよ、安心してね」
ぎゅぎゅっと腕を抱くミサに若干かちんときた。
「ぼくだってミサミサ好みじゃないですう、もっと清楚な子が良いですう」
しかし俺までふざけたところで、相沢さんがブチ切れた。
「す、すみません……」
「ああ、いや、すまん真面目にやってるのはわかってるんだが……」
主にミサの所為だとは思うけど俺の先輩なのですぐに謝る。
相沢さんは基本的に俺の事をお馬鹿さんだと思ってるが、別に不真面目な人間だとは思われてないので、怒られてもあんまり長引かないしこんな風に理解されてるんだけど……。
いつもの俺のぽっぽこぴーはともかく、竜崎さんは変な人だし、ミサは我儘で俺よりお馬鹿さんなので疲れちゃったのかな。

竜崎さんが用意した捜査本部に拠点をうつす事になった。
なるべくそこで生活するように言われ、未婚一人暮らしの俺は余裕で応じられたが家族のいる相沢さんは奥さんと喧嘩にまでなったようでおでこに傷をつくってやってきた。
「家族が一緒に来られたら良いんですけどね」
「馬鹿言うな、家族だって部外者だろ。せめて宇生田の仇って言えるなら女房も理解してくれるのに————竜崎は?」
「ミサミサのお部屋でライトくんと三角デートです、観ますか?」
「えっ、観れるのか?」
「この建物の中は死角が無いように監視カメラがついてるんですよ。普段はミサの部屋だけしか見ませんけどね」
「まあ弥が第二のキラと関わっていたと考えれば竜崎ならそうするだろうが……」
ちょっと見せてみようかとパソコンをいじくって監視カメラの映像を出す。
ライトくんと竜崎さんが当然隣り合ってソファに座り、ミサが向かいで不服そうな顔をしているところが映し出された。デートって気にはならないとミサが言ってるけど、正直ライトくんはミサに恋愛感情を抱いていないっぽいのでどっちにしろデートでもない気がしてきた。
ミサと竜崎さんのやりとりはまあまあ見てて面白いなあ、と思ってたけどライトくんと難しいお話が始まってしまった。刑事としてあるまじき感想だけど、しょうがない。
よくわからないが、意外と熱い方だったらしいライトくんが竜崎さんを殴りつけ、自称負けず嫌いの竜崎さんは蹴り返して喧嘩が始まった。
「松田、止めてこい」
「え?ぼくですか……!?二人に挟まれてぶたれたらやですよ……!」
「良い……やらせとけ……」
相沢さんの無茶ぶりに俺はひええと怯えるが、局長がそう言うので放っとこうかなと思っていたら俺のミサミサのマネージャー用携帯が音を立てる。
なんでもエイティーンの読者人気投票で1位になったそうだ。わー、ミサに教えてやろう……と内線をかけると案の定竜崎さんが出た。
「竜崎さん、ミサに変わってください」
「どうしました?」
「え、竜崎さんにはどうでも良い話かと思いますけど……」
「一応聞きましょう」
そう言うので、一応報告して、あんまりにもやる気の無い返事だったので映画の主役にも決まったってことなんですよって熱弁したらガチャッと電話を切られた。
「どうした?」
「松田があまりにもどうでも良い話をするので思わず」
「松田さんはそういうところあるから」
だから言ったじゃん……と思いながら受話器を耳からはなした。

殴り合いをしても別にやる気は出さなかった竜崎さんの為にライトくんが色々と調べ事をして、俺はそれをちょこちょこ手伝う生活が続いた。
なんだか本当に一緒に捜査をしているし、ライトくんは思ってた以上に優秀で人を使うのが上手だった。苦もなく違和感もなく普通に俺を使ってくれてて、気づいた時には驚きすら浮かばなかった。
調べてて行き着いたヨツバグループという名前にはあまり覚えはなかったんだけど、そういえばそんなこともあったんだっけ?って感じだ。
「ぼくも手伝ったんですよ」
喜ぶ竜崎さんと生き生きとしたライトくんの傍で二回程アピールしてみたが返事は無かった。



next.

監禁時期はカットしました。はわわわわってお仕事していると思ってください。
初対面のときは一応ミサにも松井として通してたけど、あんまり意味が無かったのですぐに本名は知られています。
Aug. 2016

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