sakura-zensen
春の蕾
16話
「春野ぉ~」
「えっ、わ~い」
名前を呼ばれた俺は、シュッと立ち上がりダーッ!と監督の方へいく。
なぜ喜んだかというと、今はレギュラーユニフォームを渡される発表待ちだったからだ。
一年の仮入部期間が終わり、正式に入部となってしばらくしてからのことだった。
俺は部活を二年生いっぱいと決めていて、監督とコーチにも随分前から話をしていたのだが、もちろん最後だから思い出にってレギュラーにしてくれるほど易しい場所ではない。評価を得られたという喜びに、胸が躍るのを感じる。
「春野はフォローがうまいし、敵味方限らずチームのコンディション見る目に長けとる。本番でも期待しとるし……あとレギュラーをガッシガシ扱いたってくれ」
「はい! ありがとおございます~」
監督にぐっと親指を立てられたので、ニカッと笑う。
すでにユニフォームをもらっていた奴らは、さっと顔を背けた。なんだ、おい。
帰り道、レギュラージャージを掲げていると信介が隣で、よかったなと微笑んだ。
アランと三人で途中まで帰るのは、俺達二人だけがレギュラーに選ばれ、信介が選ばれなかろうと、当然変わることはない。
部活の練習内容が違えば、そうなることはあるだろうけど。
「信介は残念だったなあ、どうせなら一緒に試合出たかったわ」
「うん、でもまあしゃあないわ」
「もっと残念がらんのか?」
「ががんばっとるのは知っとったから、いつかはこうなると思うてたし」
「俺はまさかユニフォームもらえるようにるとは思ってなかったけどな」
信介の言葉に苦笑いをうかべると、一緒に歩いているアランは怪訝そうな顔をした。
俺は、身体能力で言えば随一と散々言われている。でもバレーが強いかと聞かれるとそうでもないと思う。
稲荷崎は部活動に盛んな学校なので、バレー部には外部から呼びこまれた色々な選手がいて、その一人一人はバレーへの熱意だとか、特化した持ち味だとかがある。その中で俺が選ばれた意味を考え、監督の采配にふっと笑みがこぼれた。
「前にみんなが、一緒に試合に出ようて何気なく言うてくれたの、うれしかった。夢かなったわ」
「や、やめろや、もう試合終わった感じ出すの……!」
「アランって結構なみだもろ」
「泣いてへんで!!」
顔を覗き込んだが見せてくれなかった。
「ほんとは信ちゃんに甲子園につれてってもらう約束だったけど、俺がんばるな」
「うん、頼むわ」
「なんや甲子園て。南ちゃんかい」
アランは元ネタをわかっていて胡乱な目を向けて来た。冗談や。
俺のバレーが"信介とやるもの"から、"稲荷崎でやるもの"、"仲間とやるもの"に徐々に変化していく。練習だろうが応援だろうが、筋トレだろうが栄養管理だろうが、全部バレーに付随するものという認識に染まっていくように、俺の中は少しずつ色付いて行く感情が生まれた。
それは春の雪解け水のように胸に広がって、このユニフォームをもらった時に瑞々しい喜びとなって、たぷりと溢れた。
「アランともな、一緒にコート立ちたかったから、楽しみ」
「……おん」
アランは、少し照れ臭そうに笑った。
ある日の練習中、侑に最高到達点がいくつなのかと聞かれた。たしか320くらいだったはずだとうろ覚えで言ったが、俺の数字に納得がいかないのか侑は考え込むようだった。
中学時代に会った時に、俺は侑の前で学校の外壁を飛び越えたことがあるので、その時の跳躍が脳裏にあるらしい。
つまりもっと飛べるのでは、と。体育館の隅で一緒になって座ってた治にも確認するように目をやって、治もそうそうと頷いている。
実はあの時、急いでたのでチャクラを使って飛んだ。だから人並みの身体能力ではなかった。
スポーツではそういう特殊な技を封印して、自分の筋力のみを使う。ルール違反とかスポーツマンシップとかはあるけれども、そもそもそうしないとレシーバーの腕の骨が粉砕されかねないし、ボールが破裂するかもしれんので。
というわけで、俺は二人の記憶を誤魔化しに取り掛かる。
「途中で壁蹴って跳んだろ、俺」
「え~、そうやったかな~、あかん思い出せへん……」
「じゃなきゃ跳びこえられないって、忍者じゃあるまいし」
よし、なんとかなったぞ。しめしめ。
「あれ? せやけど、春野さんメータージャンパーになりますね、ジャンプ力まであるんや……!」
そこに練習の順番が終わり、タオルやドリンクを取りに来た銀島と倫太郎も加わり、俺のジャンプ力について意外そうにし始める。
侑はなぜか得意げに笑った。
「普段フォロー役やから、あんまし跳ばへんよな。俺はよおトス上げるけど」
「そらツムのわがままなトスをフォローして跳んではるんやろ」
「結局フォローじゃん」
倫太郎がぷっと笑う。
「春野さんはブロックもレシーブも頼りんなるから、そっち見てまうんかなあ」
「おお、銀はいいこだな~」
「ッ!!!」
わしわし、と銀島の短髪頭を撫でると硬直される。
一年生の視線がなんとなくサメ気味で、キモいだろうかと心配になって手を離す。
口々に「俺らがワルイコゆうことですか」「俺イイコやもん」「そういうヒイキよくないと思います」と、程度の低いブーイングをし始める。褒められたがりか。
俺は両手を挙げたあと軽く振って、自分の後頭部を撫でつけた。もうしません、のポーズだ。
「まあ……ゲーム次第で攻撃も守備もなんでもやるわ。全部バレーボールに必要なことやろ」
な、と再度言いくるめるように後押しして立ち上がると、一年たちはぽかんとした顔で俺を見上げていた。
インターハイへ向けての県予選が始まった。
公式試合でスターティングメンバ―に選ばれることは少なかったが、途中からの出場は徐々に時間や回数が増えて来た。体力温存のための交代だったり、厳しい場面で流れを変えさせたり、周囲のフォローに回ったりすることが多い。
一年のレギュラーはたいていそうだが、特に双子は調子の良い時と悪い時の差が大きい。ムラッ気がある。そうでなくてもチームが連携が噛み合わないことなんていっぱいだ。その"不整脈"を正すのが俺ってわけ。つまり、ペースメーカー的な役割だった。
ある試合で、俺は監督にこいこいと手招きされて、隣のベンチに座って試合を見る。
なんか今日はアランも調子よくないなあ。攻撃が決まらない。
それで焦ってる雰囲気がチーム全体にあるし、みんなが闇雲に攻撃し続けている印象だ。
対して相手チームは精神的に余裕がありそうで、丁寧で冷静な動きが出来ている。つまり状況的には稲荷崎が押されている。
勿体ない、落ち着けば皆、元々備わっているバレーに対する頭脳も実力も肉体も発揮できるのに。
そんなことを監督とボソボソと口に出し合っていると、ふいに「おし、そろそろ春野いれたるか」と監督が膝を叩いた。
「ピンチじゃないですかあ」
「試合にピンチはつきもんやろが」
監督がニマニマと笑う。じ、自分かてあせってるくせにぃ!
交代用のフダをにぎにぎしながら、このゲームを取られたら稲荷崎ここで敗退なんですけど、って思った矢先に先輩が注意力散漫でボールを落とした。ギャ……。
「……今の、落ち着いてたら取れたのに」
「アカンなあ、春野準備しときや」
「はいな」
ジャージを脱いで立ち上がる。
いつの間にか5点差になってしまった。サーブ権は向こう、ここで1点取られたら試合は終了だ。
「春野待たしといて、ここ獲れんかったら全く無意味になってまうで」
コートのみんながハッとして、立ち上がった俺を見た。
監督の笑みを含んだ声が背後からする。なんなん、そのプレッシャーのかけかた。
俺が立ったことで、みんなに圧がいくのか……糧にしてくれ。
このままサーブで点獲られておしまいになったら、ほんと立ち損だから。
とはいえ、俺を頼りにしてくれるはずのチームメイトが、ここで点を落とすなんてことはしない。ないよな? 頼れよ、俺を。そう祈りながら試合を見守る。
すると、アランが拾って、侑がトスして、キャプテンが点を獲った。サーブ権はこちらにきて、俺がフダを上げる。
稲荷崎の応援団、吹奏楽部が登場に合わせて派手に音を鳴らした。
めちゃ格好良いい登場の仕方である。ありがとうございます。
見上げれば応援席には信介がいて、他の部員たちがいて、俺の名前を呼んでいた。
入れ替わる選手は、俺の手をぎゅっと掴んだ。託すように。
「頼むで、かーちゃん」
「ハイ! ……エ?」
カーチャン???
よくわからないまま位置につく。言い間違い……だよな?
コートにいるみんなは安堵した顔で俺を見て、背を向ける。応援団の演奏がぴたりと止まり、サーブ開始の笛がなったので疑問を残しつつも、気を引き締めて渾身のサーブを打った。
「春野~~!!!」
「!!!」
「ようやった!! エライ!」
「どうもです〜〜」
サーブで無事に点数稼いで、流れを立て直して連続得点。ゲームもとってきた俺はベンチに戻りながらチームメイトと監督に、わっしゃわっしゃと頭をかき混ぜられる。さながらイヌ。
「お前ら、こんっだけお母さんに甘やかしてもろて、終るわけには行かへんからな!」
「次のセットとるで!」
「はい!!!!」
お? 今お母さんっていったな?? 聞き間違いじゃなくて。
チームメイトたちはなんか更に士気を上げてコートへ行き、俺は見送りベンチに戻った。
誰も俺のぽかん顔には気付かず、結局俺自身も試合の応援で忙しかったので謎は謎のまま終わった。
何───? お母さんて。
「えっ、わ~い」
名前を呼ばれた俺は、シュッと立ち上がりダーッ!と監督の方へいく。
なぜ喜んだかというと、今はレギュラーユニフォームを渡される発表待ちだったからだ。
一年の仮入部期間が終わり、正式に入部となってしばらくしてからのことだった。
俺は部活を二年生いっぱいと決めていて、監督とコーチにも随分前から話をしていたのだが、もちろん最後だから思い出にってレギュラーにしてくれるほど易しい場所ではない。評価を得られたという喜びに、胸が躍るのを感じる。
「春野はフォローがうまいし、敵味方限らずチームのコンディション見る目に長けとる。本番でも期待しとるし……あとレギュラーをガッシガシ扱いたってくれ」
「はい! ありがとおございます~」
監督にぐっと親指を立てられたので、ニカッと笑う。
すでにユニフォームをもらっていた奴らは、さっと顔を背けた。なんだ、おい。
帰り道、レギュラージャージを掲げていると信介が隣で、よかったなと微笑んだ。
アランと三人で途中まで帰るのは、俺達二人だけがレギュラーに選ばれ、信介が選ばれなかろうと、当然変わることはない。
部活の練習内容が違えば、そうなることはあるだろうけど。
「信介は残念だったなあ、どうせなら一緒に試合出たかったわ」
「うん、でもまあしゃあないわ」
「もっと残念がらんのか?」
「ががんばっとるのは知っとったから、いつかはこうなると思うてたし」
「俺はまさかユニフォームもらえるようにるとは思ってなかったけどな」
信介の言葉に苦笑いをうかべると、一緒に歩いているアランは怪訝そうな顔をした。
俺は、身体能力で言えば随一と散々言われている。でもバレーが強いかと聞かれるとそうでもないと思う。
稲荷崎は部活動に盛んな学校なので、バレー部には外部から呼びこまれた色々な選手がいて、その一人一人はバレーへの熱意だとか、特化した持ち味だとかがある。その中で俺が選ばれた意味を考え、監督の采配にふっと笑みがこぼれた。
「前にみんなが、一緒に試合に出ようて何気なく言うてくれたの、うれしかった。夢かなったわ」
「や、やめろや、もう試合終わった感じ出すの……!」
「アランって結構なみだもろ」
「泣いてへんで!!」
顔を覗き込んだが見せてくれなかった。
「ほんとは信ちゃんに甲子園につれてってもらう約束だったけど、俺がんばるな」
「うん、頼むわ」
「なんや甲子園て。南ちゃんかい」
アランは元ネタをわかっていて胡乱な目を向けて来た。冗談や。
俺のバレーが"信介とやるもの"から、"稲荷崎でやるもの"、"仲間とやるもの"に徐々に変化していく。練習だろうが応援だろうが、筋トレだろうが栄養管理だろうが、全部バレーに付随するものという認識に染まっていくように、俺の中は少しずつ色付いて行く感情が生まれた。
それは春の雪解け水のように胸に広がって、このユニフォームをもらった時に瑞々しい喜びとなって、たぷりと溢れた。
「アランともな、一緒にコート立ちたかったから、楽しみ」
「……おん」
アランは、少し照れ臭そうに笑った。
ある日の練習中、侑に最高到達点がいくつなのかと聞かれた。たしか320くらいだったはずだとうろ覚えで言ったが、俺の数字に納得がいかないのか侑は考え込むようだった。
中学時代に会った時に、俺は侑の前で学校の外壁を飛び越えたことがあるので、その時の跳躍が脳裏にあるらしい。
つまりもっと飛べるのでは、と。体育館の隅で一緒になって座ってた治にも確認するように目をやって、治もそうそうと頷いている。
実はあの時、急いでたのでチャクラを使って飛んだ。だから人並みの身体能力ではなかった。
スポーツではそういう特殊な技を封印して、自分の筋力のみを使う。ルール違反とかスポーツマンシップとかはあるけれども、そもそもそうしないとレシーバーの腕の骨が粉砕されかねないし、ボールが破裂するかもしれんので。
というわけで、俺は二人の記憶を誤魔化しに取り掛かる。
「途中で壁蹴って跳んだろ、俺」
「え~、そうやったかな~、あかん思い出せへん……」
「じゃなきゃ跳びこえられないって、忍者じゃあるまいし」
よし、なんとかなったぞ。しめしめ。
「あれ? せやけど、春野さんメータージャンパーになりますね、ジャンプ力まであるんや……!」
そこに練習の順番が終わり、タオルやドリンクを取りに来た銀島と倫太郎も加わり、俺のジャンプ力について意外そうにし始める。
侑はなぜか得意げに笑った。
「普段フォロー役やから、あんまし跳ばへんよな。俺はよおトス上げるけど」
「そらツムのわがままなトスをフォローして跳んではるんやろ」
「結局フォローじゃん」
倫太郎がぷっと笑う。
「春野さんはブロックもレシーブも頼りんなるから、そっち見てまうんかなあ」
「おお、銀はいいこだな~」
「ッ!!!」
わしわし、と銀島の短髪頭を撫でると硬直される。
一年生の視線がなんとなくサメ気味で、キモいだろうかと心配になって手を離す。
口々に「俺らがワルイコゆうことですか」「俺イイコやもん」「そういうヒイキよくないと思います」と、程度の低いブーイングをし始める。褒められたがりか。
俺は両手を挙げたあと軽く振って、自分の後頭部を撫でつけた。もうしません、のポーズだ。
「まあ……ゲーム次第で攻撃も守備もなんでもやるわ。全部バレーボールに必要なことやろ」
な、と再度言いくるめるように後押しして立ち上がると、一年たちはぽかんとした顔で俺を見上げていた。
インターハイへ向けての県予選が始まった。
公式試合でスターティングメンバ―に選ばれることは少なかったが、途中からの出場は徐々に時間や回数が増えて来た。体力温存のための交代だったり、厳しい場面で流れを変えさせたり、周囲のフォローに回ったりすることが多い。
一年のレギュラーはたいていそうだが、特に双子は調子の良い時と悪い時の差が大きい。ムラッ気がある。そうでなくてもチームが連携が噛み合わないことなんていっぱいだ。その"不整脈"を正すのが俺ってわけ。つまり、ペースメーカー的な役割だった。
ある試合で、俺は監督にこいこいと手招きされて、隣のベンチに座って試合を見る。
なんか今日はアランも調子よくないなあ。攻撃が決まらない。
それで焦ってる雰囲気がチーム全体にあるし、みんなが闇雲に攻撃し続けている印象だ。
対して相手チームは精神的に余裕がありそうで、丁寧で冷静な動きが出来ている。つまり状況的には稲荷崎が押されている。
勿体ない、落ち着けば皆、元々備わっているバレーに対する頭脳も実力も肉体も発揮できるのに。
そんなことを監督とボソボソと口に出し合っていると、ふいに「おし、そろそろ春野いれたるか」と監督が膝を叩いた。
「ピンチじゃないですかあ」
「試合にピンチはつきもんやろが」
監督がニマニマと笑う。じ、自分かてあせってるくせにぃ!
交代用のフダをにぎにぎしながら、このゲームを取られたら稲荷崎ここで敗退なんですけど、って思った矢先に先輩が注意力散漫でボールを落とした。ギャ……。
「……今の、落ち着いてたら取れたのに」
「アカンなあ、春野準備しときや」
「はいな」
ジャージを脱いで立ち上がる。
いつの間にか5点差になってしまった。サーブ権は向こう、ここで1点取られたら試合は終了だ。
「春野待たしといて、ここ獲れんかったら全く無意味になってまうで」
コートのみんながハッとして、立ち上がった俺を見た。
監督の笑みを含んだ声が背後からする。なんなん、そのプレッシャーのかけかた。
俺が立ったことで、みんなに圧がいくのか……糧にしてくれ。
このままサーブで点獲られておしまいになったら、ほんと立ち損だから。
とはいえ、俺を頼りにしてくれるはずのチームメイトが、ここで点を落とすなんてことはしない。ないよな? 頼れよ、俺を。そう祈りながら試合を見守る。
すると、アランが拾って、侑がトスして、キャプテンが点を獲った。サーブ権はこちらにきて、俺がフダを上げる。
稲荷崎の応援団、吹奏楽部が登場に合わせて派手に音を鳴らした。
めちゃ格好良いい登場の仕方である。ありがとうございます。
見上げれば応援席には信介がいて、他の部員たちがいて、俺の名前を呼んでいた。
入れ替わる選手は、俺の手をぎゅっと掴んだ。託すように。
「頼むで、かーちゃん」
「ハイ! ……エ?」
カーチャン???
よくわからないまま位置につく。言い間違い……だよな?
コートにいるみんなは安堵した顔で俺を見て、背を向ける。応援団の演奏がぴたりと止まり、サーブ開始の笛がなったので疑問を残しつつも、気を引き締めて渾身のサーブを打った。
「春野~~!!!」
「!!!」
「ようやった!! エライ!」
「どうもです〜〜」
サーブで無事に点数稼いで、流れを立て直して連続得点。ゲームもとってきた俺はベンチに戻りながらチームメイトと監督に、わっしゃわっしゃと頭をかき混ぜられる。さながらイヌ。
「お前ら、こんっだけお母さんに甘やかしてもろて、終るわけには行かへんからな!」
「次のセットとるで!」
「はい!!!!」
お? 今お母さんっていったな?? 聞き間違いじゃなくて。
チームメイトたちはなんか更に士気を上げてコートへ行き、俺は見送りベンチに戻った。
誰も俺のぽかん顔には気付かず、結局俺自身も試合の応援で忙しかったので謎は謎のまま終わった。
何───? お母さんて。
バレーの試合描写が薄くてごめんやで。
登場曲何がいいかなあ、とふと調べていたららコナンに行き当たった。
Mar 2025